小川糸さんの小説『食堂かたつむり』に登場する料理を、この本と映画の両方で手がけてからというもの、物語に登場する料理を作る機会を度々いただくようになりました。

毎回どっぷりと世界に入って、その本から香りたつ色合いや空気感を感じ、ああかなこうかなと試作を重ねるのは楽しくて仕方ありません。
夢のようにおいしそうに表現されている場面を形にするのはプレッシャーも大いにありますが、それ以上にわくわくします。
自分たちの仕事にも刺激をいただくことも多く、この本をきっかけに豚や猪を一頭さばくようになりました。

小説の主人公・倫子は一日一組だけの料理店を営む、天才料理人。
その料理は一切の妥協なくどこまでも細やかで、現実に作るのはなかなかハードルが高くもありますが、材料や工程を読むだけでも小説の世界が広がる楽しさがあります。

共著：小川糸

出版社：ポプラ社
アートディレクション：有山達也
デザイン：岩渕恵子（アリヤマデザインストア）
スタイリング：高橋みどり
写真：日置武晴
編集：吉田元子・戸田紀子
発売日： 2010/1/14
寸法：20.8cm x 14.8cm x 1.2cm （80P）

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