艸田正樹

写真:雨宮秀也
自然のうつろいそのもののやわらかな揺らぎ、さえざえと澄みきった透明感。ガラス作家・艸田正樹さん。
ピンブロウという技法で、遠心力の自然な作用を活かして創られる作品たち。
自然に寄り添い、共鳴する艸田さんの手を通して生まれた器は儚く、そして豊か。
凛としながら艶かしく、涼やかさと同時にぬくもりも感じ、美しい風景や夕焼けを見た時のような幸福感が心に広がっていきます。
艸田さんの器には、端正さとしなやかさを併せ持つ料理がよく似合います。
10年以上前のことですが、金沢の寿司屋さんが艸田さんの器で出してくれた一皿があまりにおいしく、美しく。
何の魚の握りだったかはもう覚えてないのですが、その時の感動はずっと刻まれていています。
水や空気、光とゆるやかに溶け合うような、美しさ。
実際に手にとるようにゆっくりご覧いただきながら、ご自分と響き合う一枚を選んでいただけたら嬉しいです。
⸻
艸田 正樹(くさだ まさき) プロフィール
- 1967
- 岐阜県で生まれる
- 1991
-
名古屋大学工学部土木工学科 卒業
都市の無秩序な拡大を抑制する政策について学んでいた
在学中に劇団「バッカスの水族館」を旗揚げし、主宰
脚本・演出・舞台美術・役者などを担当。 表現することの楽しさを知る - 1993
-
名古屋大学大学院工学研究科博士課程前期課程土木工学専攻 修了
土木分野における景観形成のあり方について考えていた
- 1993~1997
-
株式会社三菱総合研究所 勤務
環境との共生、地域の文化振興を視座に、地域の将来ビジョンの策定や施策作りに携わる
この頃、創作への欲求が再燃。あくまでも?会社員の趣味?として、 一人でもできる陶芸・写真・ガラス作品の制作を始める - 1998~
-
「架空庭園」を拠点に、創作活動を静かに展開
まちづくりの分野から、ものづくりの現場に身を移し、自分自身にできることを改めて考え直すことにした - 2025
- カモシカにて初の個展「あたたかい雨」を開催








