金森 正起
名古屋で制作される、金森正起さんの琺瑯の器。
既存の琺瑯製品とはまったく異なる繊細な風合い、鉛筆でひいた線のようにシンプルながらニュアンスあるフォルム。一つの器の中にひそやかな濃淡や表情があり、水墨画や古い版画と共通する抑えた美しさが印象的です。
同じ名古屋の名店・coffee Kajitaと繋がりが深く、同店で使われている器はほとんど金森さんの作品です。
カモシカで毎年一度催されるコーヒーカジタ×オカズデザインの茶会でも金森さんの作品を使うことが次第と多くなり、料理と菓子の間をたゆたうような六皿とコーヒーをお出ししています。
最初に金森さんの琺瑯の皿を手に取ったのは、今から10年以上前のこと。こんな器があるなんて、と深く感動したのを覚えています。
職業柄多くの作家さんの器を手にする中で、忘れられない一枚でした。こうして皆様に広くご紹介出来ることとなり、とても感慨深いです。
質の高い素材を使い、時間と手間をかけて作られている作品たち。古道具のように長く愛用いただけたら何より嬉しいです。
https://www.instagram.com/shyousyou/?hl=ja
- 1975
-
鉄工所の家に生まれる
家もほとんどない山の中で、父の建てた家で生活する 犬や猫や鶏、銀色の猫柳の記憶 - 1981
-
小学生に上がる頃、名古屋市の外れに引っ越しする
絵の教室に行かしてもらうが絵を描いた記憶があまりない
ピアノを習いはじめる
近くに池がたくさんある環境で、日の出とともに一人でも出掛けるほど釣りが大好きだった
ステンレススプーンを使ってルアーをつくる時、1ミリの穴開けに苦戦
折りたたみナイフの木の柄を刃物で削ったり、紙ヤスリで削ったりしていたらたまたま汚い油が染み込んでしまった それを見て、何かを感じハッとさせられた
いろいろと分解するのが好きだったが、直せず良く物を壊していた - 1988
-
授業で作ったブリキのちりとり、真鍮の文鎮、キーホルダーを100点満点だと褒めて貰えたのがとても嬉しかった
古い車の載った雑誌が好きだった
山の中に防空壕らしい洞窟を発見し、松明を持って良く探検に行く - 1993
- スノーボードに夢中になり、おもしろい山があると聞くと車中泊しながら廻る
- 1999
-
大学卒業後、東北で生活
登山やバックカントリーをしたり、住みたい場所探しをはじめる
静かな雪山に入ると日本も外国もないのではないかと感じる - 2000
-
愛知、岐阜に現存していた野鍛冶を巡りはじめる
何かを作りたくて色々な作り手を訪ねているうちに鉄の仕事に出会う - 2001
-
松岡信夫氏(鉄の造形家)に弟子入りする 小さい畑で野菜を作ったり、山菜を食べて生活
発掘品のようなアクセサリーを作って、表参道の路上で販売をする 自分の中では、初個展だと思っている。 - 2004
-
自分の作りたいものを見つける為に修行を辞める
田舎の生活に憧れていたので、岐阜県の森林組合で働きながら暮らす 少しずつ自分の仕事をはじめる
古物商の免許を取って業者市に行く - 2006
-
岐阜県恵那市上矢作町で生活
名古屋市の外れに仕事場を持つ 建築金物や生活道具などを作り始める - 2014
-
小学生の頃からあった近くの山の廃屋を手に入れる
金森の名から、お金が森のようになるかもと少し期待していたが お金ではなく、金物が森のようになるだけだと気付く - 2019
-
小さな美術館「小小」を始める
coffee Kajita・オカズデザインが年に一度ひらく茶会用の器を作る - 2020
- カモシカオンラインストアで初の小個展
- 2022
- カモシカで初個展「蕭蕭と」開催
- 2024
- カモシカで個展「あたためる」開催